Surrounded with Bobbin Laces and Italian Embroideries

BARJAC OMBREE

ウルリケ・フェルカーによる、BARJAC OMBREE の図案集です。

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商品の紹介１

著者： ウルリケ・フェルカー 著
言語： ドイツ語、英語
※　本書は、母国語版原書です。
種類： ハードカバー　128 ページ
寸法： 29.7 × 21.0 （ cm ）

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商品の紹介２

　シャンティイレース、ミラノレース、トーションレース、クリザンテレースの技法をあわせもつ、BARJAC OMBREE の美しい図案集です。

「序文；
　読者の皆様は、先ず私が BARJAC OMBREE と名付けた理由をお知りになりたいと思います。

　雨が多くて日照の少ない、寒い冬の季節が続く長い間、多くの北欧の人々は、春になってフランス南東部のプロバンス地方に旅行することを待ち望んでいます。
　プロバンス地方では、旅行者だけでなく、フランス中のアンティーク商が集まり、蚤の市が数多く開かれます。賞賛するべきフランス人の抜け目の無さが、政府の自由放任主義とあいまって、くつろいだ雰囲気の中で、折れたつまようじから、傷一つ無いルイ 14 世のソファまで、すべてのものが売られています。

　皆様のご想像のように、私はそういった蚤の市でレースを探すことにしています。そして、2008 年のことですが、Barjac の蚤の市で、黒いレースを三つ見つけました。加齢とともに、視力が衰えている私ですが、手織りの美しいデザインからなる、ローズグランドの Chantilly ombree（ 濃淡のあるシャンティイレース ）に似たこのレースを、買わなければいけないということが、直感でわかりました。

　そして、「留保」という印をつけて、三つのレースは私の引き出しに納まりました。しばらくの間、いろいろ注意して探していましたが、同様のものに出会うことはありませんでした。
　一年ほどたって、ようやくこのレースの研究に取り掛かることができるようになったときに、 自分が見出したこのレースが、どれほど素晴らしい宝物であったのかがわかりました；
このレースは、100％ 連続糸レースでした！
ギンプ（飾り糸）の代わりに、クロスステッチで織った、対比色からなる 2 ペアを用いているという違いはあるにせよ、私がトーションレースで長く使ってきた技法を用いています！

　この発見で、私はとても良い気分になりました。けれども、一番大切なのは、このレースを織って楽しむことですよね！
　私が相談した、古典レースの専門家は誰も皆、このレースに似たレースすら見たことがなく、起源もわかりませんでした。レースが高度に洗練されているにもかかわらず、あまり知られていないことは、本当に興味深いことです。

　このレースを織っていたレースメーカーたちが他のレースメーカーと交流が無かったから、と言う理由は、現実的ではありません。これだけ洗練された技法であれば、背後で支える養成所があったと考えるのが自然です。少なくとも私が購入したレースは、複数の異なるレースメーカーによって織られています。次ページ以降で説明しますが、多くの細かな部分が、異なって処理されているからです。

　レースについていた、商品ラベルの写真は、原寸の 50% に縮小したものです。このラベルからは、1883/8 に売りに出されたのか、あるいは織り終わったのか、しかわかりません。そのほどけた部分の見た目とほどけ具合が、初期のシャンティイレースの絹糸と似ていることから、私は、19 世紀前半に織られたものと推定しています。

　本書に取り組まれる読者の皆様に強くお勧めしたいことは、上級の方であっても、Ａ、Ｂ、Ｌのいずれかに取り組んで技法に慣れてから、Ｑに取り組んでいただきたいということです。　 経験の少ない方は、最初の作品に取り掛かるときに、少なくとも 125％ 以上に拡大して、それに合う糸を選べば、やり易いでしょう。実際に何をしているかを見て確認することは、デザイン全体を確認するのにも役に立ちます。 私の購入したレースは、本書の図案の 90％ の大きさです。ただ、この大きさに合う糸が今日では入手できません。原寸大にできるだけ近づけたいとお考えの読者の皆様は、以下の糸が良いでしょう。
（ 略 ）
　元のレースの糸は、つや消しの絹糸で、初期のシャンティイレースで用いられた絹糸に似ています。シャンティイレースでは、糊付けされた糸も用いられました。見栄えを同じくするには、正しいサイズのピンを使うことも重要です。当時は、今日あるような細いピンはありませんでした。型紙にあわせたピンと異なるピンを使えば、ローズグランドの見栄えが変わってきてしまいます。　適合する糸とピン、そして図案を拡大した場合については、23 ページに記しておきました。

ウルリケ・フェルカー（原文：英語）」

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